山ピーに好きなやつがいるのは知っていた。
相手は誰なのか分からなくて後輩の智恵に探りいれたけど、あいつも誰なのか知らなかった。
その時、この気持ちがなんなのか俺はまだ気付いてなかった。
俺達はただのバイト仲間…。
それに…俺には付き合ってる彼女がいる。
同じ大学で気の合う彼女…茂里。
だけど俺の中に、いつの間にか気になってしょうがない奴がいた。
同じバイト先で俺よりも先輩なのに、しょっちゅうドジ踏んで主任に叱られて…
だけど常連のお客さんに顔覚えられたって嬉しそうにして、誰よりも頑張り屋で誰よりも動いて…
存在の大きさに気付くのに時間が掛かった…。
――『私にだってちゃんと渡したい人がいるのッ!!』
あの瞬間、胸に大きな穴が出来た…
『ん…////。ありがとう』
照れながら山ピーは俺を見てきた。


