「山ピーは一途なんだな♪」




「もう好きじゃない‥?」





雨音が耳鳴りのように響く。






「…………好きだよ」






目が真剣で吸い込まれた。



真っすぐな瞳




井ノ上君…




「…もう1回ちゃんと向き合ったらどう?」




「………………っ」



雨音と重なって聞こえなかった。



「え?何?」




「…なぁんもない。じゃな山ピー♪」




「え…?うん…バイバイ」




井ノ上君に淋しさの表情はなくなってた。




そして白い車がどんどん小さくなっていった。