「…………はっ?何言ってんの?出来る訳ねぇだろ…!!」
「してよ…それで私もう何も望まないから…」
潤んだ目に俺の顔が映る…
「ありえねぇよ…。てかそんなことしたって何の意味もないだろ?」
「意味はあるよ…だって私先生が好きだもん!」
「馬鹿!そうじゃなくて…たかがキスかもしれないけど、お互いが好きだからこそ気持ちのいいものだろ?罪滅ぼしとか相手が受け入れてないのにキスとか、一層虚しくなるだけだって言ってんの!」
「………………」
「もっと自分を大切にしろ……」
俺は椅子から立ち上がった。
廊下の声が聞こえるくらい静かになった病室
俯く彼女にさよならを言おうとした時だった……
「それでもいい…」
小さな声が耳に届いた…。