傘ひとつに入る私と、櫻井君。
すごく距離が近い…
ドキドキしちゃうよ……
「松下さんって学校ではあんまり喋らないね?」
「え?うん…友達いないから…」
「そっか。でもみんな松下さんと仲良くなりたいんじゃない?」
「え?それはないよ…」
「何でそう思うの?」
「あたしみたいな地味な子なんてみんな嫌に決まってるもん」
「それは自分の考えでしょ?みんなはそう思ってないかもしれないよ?」
あたしはそんな風に思えないけどな…
「あ、ここ…あたしの家」
って…
「えぇ?!なんで櫻井君あたしの家知ってるの?!」
あたし話に夢中で全然気付かなかったけど、無意識に櫻井君に誘導されてた。
あたしが驚いた様子でいると−…
ニコッと彼は微笑んだ。

