それは、ある晴れた日のこと…

白「ねぇ、琥珀?少しだけ、水鏡で町に行ってきてもいい?」

琥『えっ!?ダメだよ、白雪。君は斎王なんだし…』

何故白雪が町に行きたいのかを知らない琥珀は、もちろん渋い顔をした。

白「ね、おねがいっ!青磁には秘密で、ね?」

青磁は口うるさいのだ。外出したことがバレれば、後で小言をくらってしまう。

琥『ゔーん…。でも、』

白「大丈夫。自分の身は自分で守れるわ」

そんな白雪に、蘇芳はハラハラしている。

蘇『白雪…いくら君が平気でも、俺達は近衛で、君は斎王。一人で行動することは…』

白「んもうっ!!少しだけよ、ね!?」

――だが、止めるには遅すぎた。何故なら、白雪は…

黒『…蘇芳、琥珀』