私が早瀬係長を好きになる事はない。



嫌、あり得ないと自分にいい聞かせた。



堂々とラブホを出る彼の後ろに、隠れるようにして車に乗った。



「おい何処かで飯くってくぞ。」



黙って頷く私。



「会社で息子が待ってるのか?」



すっかり拓也の事忘れてた。



「息子の名前は?」



「拓也。」



「拓也?俺は拓海だしややこしいな。」



全然ややこしくなんてありません。



あなたと私は他人ですから、それにあなたとは付き合いません。



仮に彼氏になったとして、息子に紹介するのに、彼氏の拓海27才。なんて言える訳ないでしょ。



拓也に怒られるの分かるし、恥ずかしくて絶対無理。


「おい、一人で妄想するな。顔がかなりキモい。」



妄想したくもなりますよ。


そしてサービスエリアで向かい合わせで食事をした。


早瀬係長綺麗な顔してるんだね。



二人でこうしてたら私たち恋人同士に見えるのかな?


「見えると思うけど、小川は童顔だから、10才は若く見えるよ。」



又心を読まれた。