ああ、私ありがとうなんて言ってしまったよ。



拓也に目をやると、正木が帰るとこだった。



私は正木の所へ行った。



「今日はありがとう。」



それだけを言うと、『俺こそありがとう。拓也と話せて良かった。



拓也今度、俺の家に遊びに来てくれるらしい。


妹の顔が見たいと言ってくれた。』



正木の目が潤んでいる。



『美園おまえも幸せになれよ。早瀬君との結婚式には呼んでくれよな。』



後ろから声がした。



『誰の結婚式?』



拓也の声だった。



「拓也、美園と早瀬君の結婚式に決まってるだろう。」



拓也の顔が曇る。



「拓也は美園と早瀬君の結婚反対なのか?」



ああ、と答える拓也。



「おまえはもう美園は母親だと認めたのに何故、反対なんだ。」




『それはそれ、話しは別だ。』



何故かかなりオジンくさいセリフ。