『俺は美園が可哀想で見ていれなかった。



親父が出て行ってから、美園はご飯も食べられなくて、



お酒ばかり飲んでいた。



このままじゃ美園死んじゃうって思ったから、



俺が美園を守ると決心した。



それからは美園しか見れなくて、同世代の子と付き合ってもなにもトキメかない。


気がついたら美園だけ見てる俺がいた。



もうそれからは、美園だけを思って来た。



だから、誰にも取られたくなくて必死になったよ。



何処かで分かっていた。



美園は母親なんだから。



もうこれ以上好きになっちゃ駄目って分かっていた。


誰かが止めてくるたらいいのに、なんて勝手な事思ったりもしたよ。



今日親父に会わなかったら、俺美園に何をしていたか分からない。』




「拓也は何も悪くないんだ。


俺があんな事したばかりに、拓也本当にごめんな。



許してほしいなんて思っていない。



ただこれからも美園と親子仲良くしてほしいだけだよ。


二人には、今までの分も幸せになってもらいたい。」