そんな話知らない。正木は彼女と幸せに暮らしてると思った。




「正木今一人? 」



「嫌、二年前に再婚したよ。一才の女の子がいる。妻には内緒だけど、子供の名前は美園。俺の一番愛した女だから、勝手につけさせてもらった。美園は幸せなんだろう。美園の彼氏紹介してくれよ。」


なんだか不思議な気持ちになる。



あんなに憎んでいた相手なのに、正木の話しを聞いてほっとしている、自分がいた。



私は正木に愛されていたんだ。



そう思うと自然に涙が溢れる。



「美園大丈夫?」



本当は正木に会うのが怖かったけど、今日こうして会えて本当に良かった。



「私が愛した人が男は最低な奴だと、ずっと思って生きて来た。正木真実を話してくれてありがとう。」



正木の目から涙が溢れる。


「美園と別れて後悔したよ。何度美園に会い行こうとしたか分からない。たけど、あんな酷い事をした俺が、美園に会っていいはずがない。美園本当にすまなかった。」



何度も謝る正木。




もういいよ正木。




正木の気持ちを知れて本当に良かった。