何、言ってるの。存分私をけなしたくせに。



「私の事女じゃないって言った癖に。」



正木が困った顔になる。



「あの時は、ああ言うしかなかった。俺は美園を愛していたよ。酔った勢いで抱いて相手は女子高生で、妊娠までさせた。美園が俺を嫌いになるように、あんな酷い事を言った。あの日、拓也にどなられたよ。美園を泣かせた俺を一生許さないって。拓也がずっと美園のそばにいて、美園をずっと愛し続ける。そう言われて、俺は何も言えなくなった。」




二人の間に、そんな事があったなんて知らなかった。



そして又正木が話しだした。



「俺は責任をとり真季と結婚をした。妊娠したのも嘘で、俺たちは体の関係もなかったんだ。みんな真季の嘘。美園から俺を奪いたかったらしい。だから直ぐに俺たちは離婚をした。」




そんな話全く知らなかった。



私を裏切った正木を、どうしても許せなかった。




正木を憎む事で、私はここまで頑張って来た。




今更そんな話を聞いても、どうしていいのか分からない。