「脅かさないでよ、心臓止まるかと思った。」



私は会議室のドアを小さく開け、回りをキョロキョロ見た。



「何覗いてるの?」



「え、何って、拓也だよ。いつも二人だからどうしたのかと思って。」



「拓也は今課長に呼ばれた。」



ああ、そうゆう事。


だから一人で私のとこに来れた訳ね。



「さっき茜ちゎんが言ってた歓迎会の話、進めようぜ。茜ちゃん拓也が好きなんだろ。うまくくっつけばいいしね。それと元の旦那と連絡取れた?」




正木直也に、連絡する事をすっかり忘れてた。



直也からは拓也が18才になるまで養育費を貰っていたから、彼の連絡先は今も変わっていないだだろうと思う。



でも連絡する勇気が出ない。


「どうせまだ連絡取ってないんだろう。拓也の歓迎会に正木も呼ぶんだ。偶然あったみたいな感じでね。」



なるほど良い考えだと思う。


早瀬係長には、感心させられる事ばかりだ。