紅い月が私の体を照らし出す。 ふふ―――この時をどれほど待ち焦がれていたか――――。 私は棺桶から抜け出す。 体が軽いと思ったら透けていた。 これでは身動きができない。 『人形』が必要だな―――。 霧で湿った草を踏みしめ孤児院へ向かった。 神の力だなんて私に通用しない。