そんな時、孤児院に暮らす2人の男の子に親ができた。男の子達は思い出にと宝物をブリキの箱に入れ、庭の大きな木の根元に植えようと穴を掘っていた。
 掘っていると何かにシャベルが当たった。
「なんだろう?」
 穴を掘っていたニールは持っていたシャベルを放り投げ、手で掘っていった。
 そのうち黒塗りの大きな箱が出てきた。
 ニールはブリアンを見て、
「開けてみないか?」
 ブリアンは首を振って、
「なんかこれ、棺桶みたいだぞ」
「大丈夫だって。ここには司教様もシスターもいるんだ。もし棺桶だとしてもちゃんとお墓に入れてくれるって」
「そうだとしても、ここに中世の頃、魔女を封印したって言うじゃないか」
「へへっ、大丈夫だって。魔女なんかいるもんか。開けるぞ」
 ニールは棺桶の蓋の間にシャベルを入れた。
 耳障りな音を立て、錆び付いた釘が抜けていく。