それから私はあの牢獄に閉じ込められた。薄い麻の敷物に腰を下ろす。
狭く、小さな石を敷き詰めた部屋には威圧感がある。
天井を見上げる。どこまでも伸びていて、登れないくらいの高さに小さく窓が開いている。腕には重い鎖が繋がれている。
私の命もあと5日で終わり――――か。
なんか疲れたな――――
何も考えたくない。
『あの子』も死んだ。あの人も死んだ。
この世にいない。
私の生きている価値も無い。
もう死んでもいい。
最後に異端審問官に殺されるなんてね。ふふ―――
頬に一筋の涙が流れた。
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