『獲物』は腕と足を縛られ、麻布で目隠しと猿轡をされていた。黒頭巾は猿轡と目隠しを取ると出て行った。 異端審問官は『獲物』の髪を掴み、私のほうに顔を向けた。 「どうだ?覚えているだろ?」 髪には白髪が混じり、顔には皺が刻まれていた。口の回りには髭が生え、頬骨が出ていて同居生活をしていた頃よりも歳を取っているがどう見てもあの人だ。 「っつう・・・・」 意識はあるようだ。 「もう分かるな?」 そう言うと不気味に笑い、頭を蹴っ飛ばした。