500年の復讐




 どこまでもある石積の狭い螺旋階段を異端審問官、黒頭巾、私の順で上っていく。
しばらく上っていくと、飾り気のない広い廊下のある階で階段を上るのを止め、1つの部屋の前で止まった。
 異端審問官は鍵束を袖から取り出し、鍵を開けた。扉を開け、私だけを部屋の中に入れドアを閉めた。
 部屋に入った私は壁によろけた。鼻につく酷い悪臭が漂っている。さっきと同じ部屋らしく、『あの子』がそのままの『形』で残っていた。
「君が気を失っちゃってせっかくのいいところが台無しになっちゃったからね」

 階段を上っていた時と違う。
 『あのとき』の異端審問官だ。
 悪魔に取り憑かれたように急激に変化し、
目を見開き、爛々と瞳を輝かし、歯を剥き出して笑い、
『あの子』をずたずたに切り刻んで無残な『形』にした『異端審問官』だ。

「それに新しい『獲物』を見つけたから。『あの子』にはもう楽しませてもらったから用はないけど、あんた、母親でしょ?いつでも我が子が見れていいじゃない?だからまだ置いておいたの」