凜花との距離を縮められないまま時は過ぎ、明日から衣替えを迎え様としていた。



毎日、俺の顔色を伺う教室の奴らにもウンザリだ。




俺の苛立ちも頂点を極め、いつキレてもおかしくなかった。



「陵弥…ちょっと来い!!」


机に突っ伏していた頭の上から卓が言った。



「…あ…」



不機嫌に顔を上げた俺に。


「お前いい加減にしろッ!!いいから黙って着いて来いッ!!」



卓がキレた……


俺の胸ぐらを掴むと、怒った顔の卓が。



「ふざけんなッ!!お前のせいで教室中、ピリピリしてんだよッ!!」



シーンと教室の中が静まり返る…


一斉に俺と卓に集まる視線。




当たり前だ…普段穏やかな卓がマジでキレた。



さすがに、キレた卓に俺も黙り込む。



「いいから来い!!」



卓はそう言うと、俺を教室から連れ出した。




中庭に連れ出された俺はベンチに寝転んで目を閉じた。




「お前、もっと素直になれば…周りに八つ当たりすんじゃねぇーよばーか!!」




……素直……か…



卓の言葉が胸に響いた。