始業式の日から俺の周りの色は全てグレーに見える。


凜花の顔さえ、傷付いた泣き顔しか浮かばない…


あの日から凜花は噂の女に逆戻り…


苛立つ俺の顔をチラチラ見ながら


(別れたらしいよ)
(また、気まぐれが始まったんだ…遊びだったの)



"別れた"


まだ、別れてねぇつうの!!

……別れそうだけどな…

耳障りな噂に苛立ちが増し

ガダッーン!!


近くの椅子を蹴飛ばした。



教室の中はピリピリと張り詰めた空気が漂い。




俺は机に突っ伏した。



「陵弥…噂なんか気にすんなよ…」



見かねた卓が声を掛けた。


「…るせぇッ…ほっとけ!!」

苛立ちの収まらない俺は卓にさえ八つ当たり…


「あーあ…ご機嫌斜めかよ…知らねぇーし」



って呆れた。



周りが見えないって、こう言う事なんだな……



どこにぶつけていいのかわからない気持ちを抱えたまま、時だけが流れた。