「…凜…花……」


…何であんな事したんだろう……


凜花の出て行った玄関に座り込み。



自己嫌悪だけが駆け巡る。


やっと会えた凜花を……

深く傷付けた……




無理矢理、抱こうとして…泣かせた。



傷付けた……



俺の腕を凜花がすり抜けた……



後悔だけが押し寄せて



「…クソッ!!」


バキッ!!



目の前の壁に拳をぶつけた。




…凜花…



…凜花…




俺はどうしたらいいんだ…



本気でこんなに、女を思った事のない俺には、出せる答えが見つからない。



ただ、凜花を思う気持ちを押し込めて、やり過ごすしかないのか……




……もう…俺の傍で笑ってくれないのか……



そう思うと胸が締め付けられる。




壁を殴った右手が震える…
痛みも何も感じない。




ただ心が痛む……



酷く…傷付いた凜花の顔しか浮かばない……




「…俺…重症だな…」




自分の馬鹿さに嫌気がさして……



…笑えた……