つまんない男。



つまらない日常。




隣でヘラヘラ笑ってアホらし。

何が可笑しいのかさっぱりわからん。





沢村 凜花 高2の春。




ほんの数週間、彼氏として付き合ってる男が、私の肩に手なんか回し、ヘラヘラ笑う姿に幻滅した。





「別れて」




「はぁ?」



何の刺激も魅力も感じない男。




「ってか、手離して!」





肩に回された手を振り払うと、眉間にシワ寄せ険しい顔で。




「マジで言ってんの?」




普通、冗談でこんな事言う訳ないでしょーが。





と、思いながらも作り笑顔で。




「本気だけど」




そう答えた。





夕暮れのホテル街の一角で、シーンとした2人の間を風がザワザワと吹き抜け、一瞬間が空いた。