「………好きだよ千帆…」


寝言でこんな事言ってる。


だめだ……


私、こんなとこにいたら。


私は窓をしめて図書室を出た。



下駄箱に行く途中、
3年の宮原先輩を見かけた。


宮原先輩はバスケ部のキャプテン。

女子に人気がある先輩。



「今帰りか…?」


急に話しかけられてびっくりした。


「あっ、はい……」


動揺しつつも答えた。



「泣いてんの…?」


「え……っ」



私は下を向いた。



「誰が泣かせたの?男?」


「あっいや…、その…」



めちゃくちゃ焦ってる。
どうしよぉ。



「つか、暗いから送ろうか?」



なんか急に優介の顔が頭に浮かんだ。



「だ…大丈夫です!」


なんか他の男の人といると優介の事を思い出して余計に辛くなる。


「すいません…、失礼しますっ!」


私は靴を履き替えて走って学校から外に出た。