「千帆、聞いてくれるか?」



今は私の部屋。



あの後、外じゃ真っ暗だし寒いから場所を変えた。



親も笑顔で出迎えてくれたんだ。






私は小さく頷いた。


「俺、あの日約束を断ったのは…ごめんな。でも、女と遊ぶためなんかじゃない」


「だって…女の人…」


「俺の姉貴なんだ…」


「え…?」



きっと私は今、
まぬけな顔をしているに
違いない。



「だから勘違いさせてごめんな?」



「じゃ…じゃあ、何でその日お姉さんと?」



「もうすぐ姉貴、結婚して同姓生活が始まるんだ。でその買い物を付き合ってくれって頼まれて…」



…ぇ……?



「始めは断ったんだけど行くって聞かなくて…悪い」