「ねぇ、さく!!どうなの?」 うれしそうに尋ねる佳奈子。 私はかなり考え込んでから、 「わかんない。でも、好きになっちゃ駄目だよ。」 「なんで?」 加奈子はもちろん首を傾げた。 首を傾げた加奈子はとても可愛い。 「だって、渡部が行ってる塾に行くことになったから。」 「でも好きでしょ?」 どうしてこんな風に聞かれるんだろう? 「佳奈子は何でそう思うの?」 それを聞かれた佳奈子は、うれしそうに言った。 「さくの視線の先、いっつも、渡部なんだもん。」