「なんか……私にはわからない。だって、彼女の気持ちはどうだったの?マサ君とその人の気持ちだけじゃ決められないじゃん!?」



するとマサ君は、哀しそうな顔をした。



「あいつと俺は…もう駄目だってお互い解ってた。けど、二人ともなかなか別れを切り出せなくて。きっかけをあの男、あいつの上司らしいんだけど。ま、その15歳も年上の上司が作ってくれたんだ。

あの男の話に俺は一つも反論出来なかった。
それって最低だったって自分で認めてる訳じゃん!?

だから、あいつには俺から別れを切り出した。
『あの男と幸せになってくれ』って。
あいつ泣いてたけど、『ありがとう。』って言ったんだ。
だから、なんか安心しちゃって。
お互い意固地になって"別れない"の一点張りだったけど、肩の荷が降りたっていうか正直"良かった"って感じた。」



話続けるマサ君は、寂しそうに遠くを見つめる顔をしていた。


辛かったんだろうな…。

そう感じた。