「浮気…相手?」

「そう。大学までわざわざ訪ねて来た。『彼女と別れてくれ』ってさ。」


「そんな!!」

「俺も始めは"なんだこいつ!?"って思った。けど、話聞いてたらさ、その男の方があいつの事色々考えてくれてるんだ。

『生活環境が変われば、考え方や物の見方だって変わってくる。彼女が社会人になった時点で、今までと同じ付き合いが出来なくなるのは当たり前の事だ。デートの時間が減っても、夜中まで一緒にいられなくなっても、メールの回数が減っても、それは彼女が社会人になって責任が出てきたから仕方のない事なんだよ。

君は本当に彼女が好きならそういう事を応援してあげるべきだったと思うよ。

デートだって彼女の都合に合わせてあげれただろうし、会社の話だって、ただ黙って聞いてあげるだけだって良かったんだ。彼女は君に甘えたかったんだから。

逆に言えば、そう努力出来る程彼女を愛していなかったんじゃないかな?』

ってさ。あいつにずっと相談されてたんだって、俺の事。で、その内あいつの事を好きになっちゃって、結局浮気しちゃって。
まぁ、謝ってたけど…『浮気なんてさせてしまって。』って。

だけど、『彼女の事を諦めるつもりはないから君が彼女と別れてくれ』って、頭下げられた。」