「あ、出た出た雫ー。ごめんね、なんか気になっちゃってさ。思わず電話しちゃった。…起きてた?」


「起きてたよ〜。菜々、大変なんだけど!」


「…………やっぱりあんた、記憶飛んでる?」


「うん…。」


そう、菜々は私の事をよく解ってるから。

私はお酒に弱いくせに顔や態度に表れなくて、周りの人が酔っぱらっている事に気付いてくれない場合が多い。

そのせいでそのまま飲み続けるはめになり、そうなるといつも記憶を無くす。


だから、昨日の私の態度でもしかしたら…って心配してくれたんだって。


「で、雫。何が大変なの?」