「ねぇ、ねぇ!どんな先生かな?男?女?
ちぃは、どっちがいい?」
急に右腕が重くなったと思い見てみれば、朝からテンションの高いミドリがひっついている。
「別にどっちでも。生徒会の顧問になるわけじゃないし」
目線をミドリから前に戻し、再び廊下を歩き始めた。
その新しい先生が生徒会の顧問になるかどうかは別。
だから、大して気にしてない。
「なるかもよ?」
「なったらなったで別にいいじゃない」
「そうだけどさー。
あれ?ちぃ、顔が白いよ?風邪かな?」
「やっぱ?最近、体だるいし、鼻水がね……」
「保健室行く?」
「たいしたことないから、まだいいわ」
それでも、重たい身体を動かし体育館の中に入っていく。
すでにほとんどの生徒が集まっており、いまかいまかと、新しい先生がどんな人なのか、ザワザワ、ガヤガヤと話している。
「うわー。さすがに今日は集まるの早いねー」
「あー、頭に響く」
『静かにしろー』
マイク越しに生徒指導の先生の声が広い体育館に響く。
あー、この先生名前何だったかしら?