「千紗の連れ」
「ユウも大変だな。
こんなヤツと校内うろつかなくちゃいけねぇんだろ?人生の汚点ってヤツだな」
「何が人生の汚点よっ!アンタなんか汚点だらけじゃないっ!」
「だからなんだよ」
「はぁー。啓輔と話してるだけで疲れるわ」
屋上に来る前の祥也だけでも疲れたというのに。
それより、煙草について、ね。
「啓輔はなんでココにいるわけ?」
「は?授業サボって寝るために決まってんだろ」
「ふーん。私を騙せるとでも思ってるみたいね。
なんで、ココに来たか分かっているんでしょ?」
頭をグシャグシャっと掻き毟る啓輔に、傘を突き付けた。
傘の先端は、ただ晴れているだけの無意味な太陽を反射させる。
効果音を付けるなら、キラーンかシャキーンだろう。

