「いいんじゃない?」
「えっ?ちょっと待って、俺と千紗?」
「何か文句あるの?」
「結構いっぱい。
だってさ、千紗なんかの武道とかできるの?」
「弓道のみよ」
あれ?弓道って武道に入ったかしら?まぁ…、大して気にすることでもないか。
「やっぱ?」
「まぁ、弓道なら命中率高いし、私が放った弓矢が刺さっても死なないのなら持ち歩いてもいいわ」
少し微笑みながら雄太郎を見た後、机に並べた真っ白な紙に視線を落とした。
記憶力を頼り、これから必要になるであろう校内の地図を作成する。
「弓矢刺さったら死んじゃうだろうねぇー」
ミドリは呟きながら私の手元を覗き「ここ、違うよぉ。ここは、北理科室っ」と地図作成を手伝ってくれる。
「だったら、千紗ちゃんと卓也くんが組んだ方がいいんじゃないの?
卓也くんは剣道部だし、ミドリちゃんは空手部……。
二人は分かれた方がいいと思うの」
「それだと駄目なんですよ、村上先生」
「え、なんで?
千紗ちゃんは弓道部で雄太郎くんはバスケ部よね?」

