一番近くにあった椅子に腰掛けた後、ふんわりと微笑んだ。

「はぁー。それで?村上先生は、この要注意人物リストで何がしたいの?」

 今度は私達に何をさせたいのだろうか、と思い眉を寄せれば、

「ふふっ。千紗ちゃん嫌そう。
でも、そんなに嫌がらないで?ただ、この要注意人物を減らしてくれればいいの」

 要注意人物を減らす……。

 風紀が乱れ気味な我が高校。風紀を乱す奴らなんて二酸化炭素の様に増加している。

 そんな二酸化炭素を減らすには、中心的人物である要注意人物から減らせ、と?

 イコール、我が高校の風紀の乱れに歯止めがかかる(かもしれない)。

 そこまでは、分かった。分かったが、納得したくない。

 村上先生は、一番重要な事を話していないという確信がある。
 他の三人も同じ考えの様で、ため息をついてみたり、髪の毛をいじってみたりしている。