生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜



「実を言うとね。ミドリちゃん、結構写真撮られてて。そのどれもが、休み時間のものや下校中のだった。
ってことは、佐野は時間割を把握してるはずなんだ」

 実は俺も写真撮られたんだぁ、とおどけて言う雄太郎。

 そこはおどけて言うところじゃないと思うんだけど、私に心配かけないように気を遣ってるのよね。

 雄太郎もミドリも撮られてるってことは、タクも……。

「で、そう考えると、俺たちが数学の授業を受ける教室――北2の校舎には職員室がある。
しかも、1年の校舎でもあるでしょ?たぶん、1クラスを除いて今教室で皆授業を受けてる。
そうすると、千紗が叫んだら絶対誰かが気付く」

 それでね、となんだか得意げになってきた雄太郎。

「2年の校舎は、北2から遠いし、北2に行くまで絶対通らない。
もし、千紗が通るとすれば、3年の校舎を出て体育館の前を通り、職員室の前を通る方法か、この前見つけた2つの近道」

「どうして雄太郎はそういう余計なことは出来るのに、勉強はできないわけ?」

「余計なことって……そう?」

「だって、この学校って大小合わせて10個くらい校舎あるのに、その校舎に何があってどの先生がいつもこの教室にいるとか覚えてるんでしょ?」

「えー。だって、俺、一応会計だし。どの部の顧問がどこに出現するとか把握しておいたほうが楽なんだもん」

 ……そうなのよね。