痛みや恐怖で目眩がし、ズルズルと壁にもたれながら、床に吸い込まれる。
床にへたる私を見てくつくつと笑う佐野はしゃがみ、私の頭を掴んだ。
「こうしなきゃ、分からないんでしょう?」
今度はケタケタ笑いながら私の頬をビンタした後、立ち上がる。
「生徒会長だし、見えるところだと問題になっちゃうか」
「……っ。やめ、て……」
「やっぱ、千紗って分かってないよね。僕に従えばいい、ただそれだけ。簡単でしょ?」
「いやっ――うぐっ!!」
立ち上がった佐野は、何回も何回も私を蹴ったり、髪の毛を引っ張ったり。
苦しさや痛みに何が何だか分からなくて、抵抗もできない。
身も心も髪の毛もボロボロになったのに、まだ続く佐野の壊れた笑い声。
………タツキ助けて。
ぶわっと頭を占領した、タツキの笑顔にすがりたくなった。
授業中なんだから助けに来てもらえるはずないって分かってるのに。
まして、佐野のことなんて話してないから、助けてほしいなんて無理な話なんだけど。
でも、雄太郎が言うには若干感付いてるらしい。
ああ、もうバレるかしら?
熱くなってきた身体もそうだけど、目を開けているのが辛い。
耳を床につけ、タンタンタンっと心地よい音を聞きながら、意識が遠退くのが分かる。

