何故、あんなことを、ましてやあのタイミングで言ったんだ?

 俺に信じてほしいから?

 でも、何を信じてほしいんだよ。

 第一、俺は千紗を信じ切ってるし、なにも疑う要素や事柄なんてない。

 何かが違うような、気持ち悪い感じが俺の中に広がっていく。

「はぁ。コマチさん、ご飯食べます?」

 千紗がいないから代わりに、と餌がしまってある戸棚を開けながら問い掛けた。

 けれど、いつもの俺に向ける不機嫌そうな声も、戸棚にあるはずのキャットフードも。

「ないし。ってか、コマチさんもいないし」

 ここまでするって、一体。

 まぁ、コマチさんと相性の悪い俺に、コマチさんを任せることはできないかもしれないけどさ。

 いや、ちょっと待てよ。

 昨日の千紗もだけど、生徒会のみんなも態度や様子が“変”だった気がする。

 具合が悪そうに、千紗やミドリさんは保健室のベッドの上にいたし、雄太郎のあの宣言も。

 それに、結局のところ、雄太郎のあの宣言の意味が分からないままだ。

 多少、イラつきながら全部知ってるであろうコイツに電話をかけた。