生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜



「ねぇ、千紗」

「……なに?」

「紗葉に、似てないってどういう――」
「忘れて」

「……は?」

「聞こえなかった?私は、忘れてって言ったわ」

 聞こえなかったわけじゃない。

 そうじゃなくて、そんなこと言われるとは思ってなくて。

 聞けると思ってたから、言ってくれると教えてくれると思ってたから。

「……俺に言いたくない?」

「だからっ!忘れてって……、言ったじゃない……」

「そんなの無理に決まってるだろ。紗葉と千紗は違う。だから、何?」

「…………」

「千紗」

 無視する千紗の背後に回り込み、棚に手をつき千紗を挟む。

 ぴくっと肩が上下したのは、見なかったことにした。