生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜



 それをクラスごとに分ける仕事が終わる頃には、辺りは真っ暗で。

「さ。終わったから帰るわよ」

「ちぃ、つかれたぁ〜」

「はいはい。ねぇ、タク」

「なんだ?」

「今日もミドリお願いしてもいいかしら?」

「……ああ」

 ミドリさんが急いで卓也くんの近くに寄ってきて「ありがとう」とにっこり笑ったのに。

 卓也くんは笑い返さずに、すぐ生徒会室を出ていった。

「雄太郎、時間、平気なの?」

「え?……あっ!やっべぇっ!!俺、帰っても平気?」

「平気よ。早く、帰りなさい」

「千紗、ありがとうっ。じゃっ」

 雄太郎はくしゃりと笑ってから、犬のように生徒会室を飛び出した。

 千紗と二人きりの生徒会室は、やけに静かに感じて。

 ……でも、あれはどういう意味なのかが、知りたくて。

 ファイルを棚き片付けている千紗の背中を見つめた。