『どうせ私は姉さんに似てないわ』
……どういう意味、だ?
「千紗、どういう――」
「たっだいま〜!!」
ジャーン!とでも言いたげな雄太郎に俺の声はかき消された。
勢いで立った俺は力なく椅子に戻り、生暖かくなった息をゆっくりと吐き出す。
「会長様、お邪魔でしたか?」
「別に……。で、全校生徒は何人?」
千紗は椅子から立ち上がり、ドアの前に立つ雄太郎に近づき、手元にあるメモ用紙を覗き込む。
ここから見る二人は、凄く真面目な顔をしていて。
普段、ふざけてあってる二人とはかけ離れた姿だった。
やっぱり、さ。
歳が同じって良いよね。
今の俺には、とてつもなく新鮮な光景で、俺も昔懐かしい同級生と話したくなった。
「それじゃ、私はタクとミドリと合流して印刷してくるわ。
それと、雄太郎。そこのファイル、一度見てみたんだけど、確認してもらえる?」
「了解ですっ」
にこり、と微笑み生徒会室を去っていった。

