小学生の姿で止まっていた千紗が、いきなり中2になって俺の前に現れた。
もうすでに千紗は、他の子より綺麗、だったのかな?
だって俺は、中2とは思えない千紗の容姿、言葉遣い、仕草に見入ったんだから。
それから、あっという間に千紗の虜になって、付き合い始めたのが千紗が中3の時、か。
一緒に暮らし始めたのは、千紗が高校に受かってから数ヵ月後。
やっぱり、歳の差は……あっ。
俺って幼なじみ――紗葉(すずは)の妹に手を出したってことになるのかな?
でも、千紗は。
「……妹って感じがしないよね」
「はあ?」
「だって、千紗は紗葉の妹だろ?」
「だからなによ。……どうせ私は姉さんに似てないわ」
ファイルから顔を上げた千紗は、悲しそうに瞳を揺らし、でもすぐに俯いた。

