バタン!!



「沙羅様!ご無事…ですか…?」



いきなり部屋に入ってきたのは日高だった。



「日高…?助けに来てくれたの?」



日高はポカンとした表情を見せている。



それもそのはず。



沙羅は拉致されたというのに、なぜか涙を流している里斗を抱きしめていた。



「…あの」



「あ、ごめん。説明はあと。早くここから出ないと…。里斗?行こう」



沙羅は里斗を抱え、立ちあがった。



「…沙羅様、手伝います」



日高は沙羅と変わって里斗の腕を首に回した。



「悪いな…」



申し訳なさそうに里斗は呟いた。