「お、沙羅。もう帰ってきたのか?」



家で仕事をしていた父と遭遇。



「お見合いなんかしない。私には…ちゃんといるもん」



「はぁー…。まだ、そんなこと言ってたのか?まぁ、仕方ないな」



父が困った顔であごを触る。



「ねぇ、私、お菓子作る仕事がしたいんだけど…」



建設会社なんて、楽しくない。ずっとお菓子を作りたかった。



「まぁ、いいだろう。でも20歳までは私の仕事を手伝ってもらうからな」



「…は~い」



夢実現のためだ…。



ジジジ…



『旦那様、お客様が見えました』



アナウンスが家に響く。



誰か、来たのかな。



「お、来たようだな。沙羅、ちょっと来い」



父は沙羅の腕を掴み、引っ張る。



「え!?何!?ちょ…お父さんっ」



沙羅は無理やり、玄関へと連れられる。