「沙羅様、私とお付き合い願います」



「いえ、私と!!」



「いや、私でございます」



…そんなこと言われてもなぁ。



今日、沙羅はお見合いに来ていた。3人にお付き合いを求められ中。



「ごめんなさいっ!!」



沙羅はその場から立ち去った。着物の着付けが苦しい。



私には創也がいるの…!!



創也がいなくなって、3年の月日が流れていた。沙羅はもう19歳。セフィール学園も無事卒業し、父の仕事を手伝っていた。



「…もう沙羅、これで何回目よ?」



母があきれたようすで言った。



「私には創也がいるの。いつか、会いに…」



「もう終わったことじゃない!!3年前のことをズルズルと引きずって…」



「…いいもん。もう、帰るからね!!」



「沙羅様、お疲れ様です」



「日高、車出して!!」



「かしこまりました」



沙羅の新しい執事、日高玲人[ヒダカレイト]だ。



そして、すぐに車が登場。



「どうぞ」



「ありがと」



沙羅は車に乗り込んだ。