外は真っ暗になっていた。 秋は息切れ寸前。 陸也は校門を抜けた坂の終わりで秋の手を放した。 秋の手には 陸也の手の後がくっきり残っていた。 「あ・・・えと・・・・」 秋は しどろもどろで ありがとうとお礼を言った。 すると彼は爽やかな笑顔で 「いいよいいよ」 と目をあわさず言った。 そして近くにあったベンチに座り込む。 秋はその場に立ったままだった。 「あっ、座れば?」 首をかしげていう陸也。 「うんっ」 2人は夜のベンチに隣同士に座った。