彼と出会ったのは今から1年ほど前の事。


夜にぶらぶらと歩いている所に彼は現れた。


大きな木の前でボーとなって立っていた彼。


その顔はどこか淋しく儚いものだった。



「あの…どうしたんですか?」


そんな彼を見ていたらつい言葉が出てしまった。


さすがに焦った。


夜の道。

しかも人通りはなく、そこにいたのは私と彼だけ。


それなのに、何処の誰かも知らない男の人に声をかけるなんてどうかしてる。


ここで何かされても自業自得だ。



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