【短】おかえり



何時間、眠っていたのだろう・・・


そっと隣に腕を伸ばし彼を捜す。



「……紫季?」


いくら手を伸ばしても、その手は冷たいシーツに触れるだけ。


彼の姿は何処にもなかった。


もう帰ったのかな…



時刻を確認すると、すでにお昼近かった。



怠い身体を無理矢理動かしバスルームで熱いお湯を浴びる。


全身に散らばっている赤い花びら。


彼が私につけたもの。


私は彼の呪縛から解き放たれる事はない。




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