それもまた心地いい。 今だけは私はちゃんと彼の瞳に映っていると思うと、ただそれだけで嬉しさが込み上げてくる。 「…比奈……おやすみ」 彼は私を苦しくないように優しく包みこむように抱きしめ私を映している瞳を閉じた。 「おやすみ……紫季…」 彼の温もりを全身で感じながら瞼を閉じた。 周りから見れば私は都合のいい女だと思われるかもしれない。 それでもいい。 彼が私を見てなくても、こうして私を求めてくれるだけで私は幸せなのだから。 .