それから朝になるまでずっと彼といた。 携帯の電話帳にまた一人、名前が登録された。 《紫季》 彼について知っている事は彼の名前だけ。 年齢もどこに住んでいるのか苗字すら知らない。 私が彼を好きになるまでに時間なんて全くかからなかった。 その気持ちを紫季に伝えたらあっさり返事が返ってきた。 「…いいよ、これでずっと一緒にいれるね」 この時から何も知らない彼は私の彼氏になった。 .