「そう…君は一人でいるのは好き?嫌い?」


彼は私から目線を反らし、また大きな木を見た。


「私は……嫌いです」


嫌い。


一人は嫌い。


だから今日も人がたくさんいる所を探してはそこを歩く。


一人は孤独だ。


「俺も……ねぇ遊ぼう?」

そう言って彼は私の手を引き歩き出した。


私は何の抵抗もなく彼の後に続いた。


もうその時から私は彼の甘い毒牙にかかってしまったのかもしれない。


私と同じ孤独な彼に……。


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