「大丈夫」 そう言ってあたしは足元のボールを手渡した。あたしはその一言だけで精一杯だった。 いいじゃないか、とあたしは自分に言い聞かせる。 高橋はあたしから離れていくわけじゃない。あたしと高橋の距離は変わらない。 彼女がいようと、関係ない。 だってあたしは高橋に「恋」してるわけじゃないんだから。 .