透明図

学校が終わって、私は藤橋君にメールで待ち合わせの場所を伝えた。

場所は、あの公園だった。

学校の終わる頃には、私の胸はまるで冒険に向かう少女のように高鳴ってしまった。

少しだけ、ドキドキする。

これは私の冒険心からなのか、それともノラに対する心配からなのか、私の心の中は、いまいちすっきりとしてくれなかった。

それとももしかしたら他に理由があるのかもしれないけれど。

私があれこれと考えている間にも、藤橋君からちゃんと返信が返ってきた。

「何時?」

あ、何時にしよう。

私はとりあえず、「そっこう」とだけメールを打って返した。

単語でメールを返すのも久しぶりな気がした。