私と並んだ藤橋ユウヤの背は、あまり大きいとは言えず、私より少し高いくらい。もしかしたらサキより小さいかもしれなかった。

顔付きは、まだどこか少年ぽさを残しているが、その感情の抜けきった穏やかな瞳だけが同年代の誰とも違っていた。

一見すると藤橋ユウヤは、明るい軽快さと、誰に対しても親切に振る舞う善良な精神とを併せ持っているようにみえる。

あるいは実際に併せ持っているのかもしれないが、少なくとも私には彼が別のものにみえた。

私には、彼が感情をもたない、人間をかたどった精巧な人形に思えた。

もちろん藤橋ユウヤの態度からは、一欠けらもそれを垣間見ることはできない。

ただ、私の心を捉える目だけが、暗く沈んだ藤橋ユウヤの心を知ることができた。

それは、予感として常に私の中にあったものだが、今となってそれは確信に変わっていた。

正直に、有りのままに話せば、私は藤橋ユウヤが怖いと思う。

それでも、私はいつの間にか藤橋ユウヤと話をしなければならない気がしていた。

そしてその機会を探していたけれど、私は藤橋ユウヤと話す機会を見出だせずにいた。

きっかけは唐突に訪れた。
話しかけてきたのは、彼からだった。