「・・・・何でですか??」
「あの子、優也君を想って心の病気になっているのよ」
優也を想って・・・??
「毎日のように優也君の事を話していたわ。嬉しそうにあたしにも聞かしてくれた。
 けど、ある日、あたしが帰宅するとそこにはボロボロの美衣の姿があったの」
「・・・・」
「何があったのか、あたしはスグ聞いた。そしたら、夏凜って言う子に優也をとられたっ て言っていたわ・・・」
「っとってなんかいません!!」
思わず出る大声。
「あなた、美衣が優也君の事をスキなのを知ってて告白したんですって??」
「・・・・」
「美衣はそのことをひどく恨んでいたわ。今でもたぶん」
言葉を失う。
美衣に対しても、この看護婦に対しても。
「頭、おかしいんじゃないの??!!」
あたしの口から無意識に出た言葉だった。
ビックリした顔で看護婦はあたしを見る。
「あたしはね!!あんたの子供に嫌がらせをうけているの!!あんたの事どの傷何かよりも もっとひどい傷が心の中にあるの!!全部あんたの子供のせいなの!!!!」
立ち上がり大声を出すあたしにただただ驚く看護婦。
「最初からあたしも優也のことが好きだった。けど、美衣もスキだって言われた。
 そんなとき、あんたは自分も好きだって言えるの??!!」
「・・・・」
「言えないでしょう??!!けど、自分の優也への気持ちは収まらなかったの!!
 とったとか一方的な言い方しないでよ!!!!」
それだけを言いあたしは部屋を飛び出した・・・・




部屋の外には母さんが待っていた。
「ちょっと!!どこへ行くの??!!」
お母さんはあたしの腕をつかむ。
「離してよ!!!!」
お母さんの腕を振り払いあたしは病院の外へとスリッパのまま飛び出した。
「夏凜-!!!!!!」
後ろからは母さんの悲鳴に近い声。
そんなのも聞こえない。
あたしの心はどうなってしまったんだろう・・・・・